昨日、森 淳(id:sunaOhi)さんのブログ、読んでて、「恋」していたころの感覚を強く強く、思い出した。

丁度、先日、40回目の独立記念日に相方と飲みながら昔の話をしていたせいでもある。

 

森さんへのコメントにも書いたんだけど、わたしを振った人、わたしが振った人、どちらとも結局はご縁がなかったということなんだろうな。

 

わたしは旧型の人間だから、恋の先の先に結婚を見ていた。

妙に積極的だったから、わたしの方から好きだと言ったことも何度かある。

ことごとく玉砕したけど。

 

相方と出会った時も、「振られたて」だった。

 

わたしはその時26才で、母の「結婚しなさい」攻撃がもの凄かった。

「女はクリスマスケーキと一緒なのよ。24まではみんな喜んで買ってくれるけど、25になったら値引きしても買い手がつかなくなる。まして26でしょ」

お見合いしろとあまりうるさいので、母も知っていて気に入っている合唱関係の男友達に手紙を書いた。

母が結婚しろとうるさい、あなたも、もう30でお家でうるさく言われてるんじゃないか、結婚前提で付き合ってみないか、その気がなければ振ってくれても、今なら全然、傷つかない って。

 

数日後、電話があって待ち合わせて話をした。

彼も異存はないというので、それから何度かデートした。

でも、次第に電話が少なくなっていった。

夏の暑い日、呼び出された喫茶店へ行くと、暗ーい顔をした彼がいた。

「まりさんはいずれ、僕では物足りなくなる」と言われた。

ブログに以前書いたことあるけど、これは女の子を振る時の定番のセリフだったらしい。

なのに、わたしはそのまま鵜呑みにして、おまけにその通りだ、わたし、いつかこの人じゃつまらないと思う日が来そうだ なんて思った。

でも、彼と別れてからじわじわ、振られた感が強まってきて、ちょっと泣いた。

家に帰って、母に振られた話をした。

それから、家族は腫れ物に触るみたいにわたしに接するようになった。

 

そして8月のあの日、友達から電話が掛かり「家でくよくよしてないで一杯飲みに出ておいでよ。わたしの彼氏の友達のYさんも来るから」

 

そのYさんが相方だったんだ。

 

わたしは友達から、Yさんと言う人は離婚して子供が1人いて、今は実家に住んでる という話を聞いていたので、独身男性だけど独身男性じゃない、範疇外の人という認識だった。

でも、家でくすぶってるより、飲みに行く方がいい。

 

で、出かけて行って彼に「初めまして」と言った。

 

その時からなんか変な感じがした。

 

何ということもない人だ。特別、ハンサムでもなければ不細工でもない、がっちりしてるが背も高くないし、口数も少ない。

 

2軒ほど行って、彼は車で来ていたので飲まなかったし(というより運転手代りで呼ばれてたみたい)、わたしたちを家まで送ってくれた。

その車の助手席で、わたしは麻のジャケットを頭から被り、じっとしていた。

みんな、気分でも悪いのかと思っていただろう。

わたしはこの背後霊の様なものはどうしたら祓えるんだろう って考えていた。

今までのボーイフレンドたちだって持って半年だ。

たとえ、この人が気になるからと付き合ったって半年ほどのことだ。

なのに何故わたしはこんなに混乱してるのだろう。

 

その時から、心のどこかで分かっていたんだ。

この人なんだ と。

 

翌日、友達に電話して彼氏にYさんの電話番号を訊いてもらい、早速、電話した。

 

早々に会って、あなたのことが気になって仕方がないので付き合ってほしい と言ったが、彼は「まりさんはまだまだ若いし、僕みたいな子持ちの男と付き合わなくても、もっといい人に出会いますよ」と言った。

彼は逃げたのだ。わたしが飽きて振るんじゃないか と恐れたのだ。

 

でも、わたしは追いかけ回した。

 

それから、いろんなことがあって、わたしは1度は別れようとし、彼は黙って身を引いた。

 

でもまた、わたしは彼を呼び出した。

それからは、もう逃げないで前を向いて結婚することを考え始めた。

 

以降のことは今までに書いてきた。

 

あの夜に感じた背後霊。

恋の予感ってもっとキラキラして明るいものだと思ってた。

 

でも、あの背後霊はまぎれもなく、つらい道の先にある「結婚」というラベルの付いた恋だったのだ。