腹の底
今朝、気付いたんだ。
頭が痛いの、目のせいだけじゃなかった。
左下の奥歯、少しぐらつき、歯茎も腫れてるみたい。
だから、左コメカミあたりが痛いのだ。
ありゃりゃ、何だ、これは。
婆さんが体調不良をぐちぐち言うブログか。
わたしはこんなもの、読みたくない。
もとい!
今朝は昨日までの寒さが嘘みたいに暖かかった。
相方は新しく加入したTチームの練習試合で迎えの車を待っていた。
9時ごろに「下へ降りとくわ」と言って荷物を持ってエレベーターで降りて行った。
しばらくして電話が鳴った。
「家の鍵、忘れた。持って来てくれ」
「え、わたしまだ着替えてない。出られない」
「じゃあ、鍵、落としてくれ」
って言うんだ。
この鍵、マンションのエントランスや部屋へ入るためだけじゃなく、エレベーターを1階へ呼ぶのにも必要なのだ。
このマンションに引っ越して間のないころ、彼が鍵を忘れたと下から電話してきた時に、わたしが「じゃあ、落とすから受け取って」っていったら、「何言ってんねん。15階から落としたの、加速して、受け取ろうとしたら怪我する」って、結局、わたしがエレベーターで下まで持って降りたことがある。
彼の鍵はキーホルダーも金属で、いろんな鍵がじゃらじゃら付いてる。けっこう重たい。
わたしは鍵を小さなタオルでくるんでゴムしたのを持って、玄関のドアから外を覗いた。
O.K. 誰もいない。
通路の手すりから下を覗くと彼がいた。自転車置き場の通路に立ってて、両方が自転車置き場の屋根だ。
えー、狭いなあ。
でも、彼が落とせというので落とした。
すると、風に流されて屋根の上に落ちちゃった。
相方はもういいと腹立たしそうな身振りでわたしを部屋へ追いやった。
ちょっとして電話があり「なんでタオルでくるんだんや。風の抵抗、受けるやろ。今、管理人さんに手伝ってもらってる」って、びしゃっと切られた。
また、少しして「取れた。今から行ってくる」って。
あなたでしょ。鍵なんか15階から投げたら危ないって言ったのは。
初めはむかむかしてたけど、7時間もたつと、もう、どーでもよくなった。
こんなことを何百、何千回と繰り返してきた仲だ。
あちらだって、腹の底でぐっとこらえてきたことは同じ数だけあるだろう。
帰ってきたら、ニッコリ笑って
「お帰り。今日の試合、どうだった?」
って言おう。
さあて。