包丁
わたしが結婚して初めて手にした包丁はぺティナイフだった。
2人で住み始めた時、相方はコックをしていたことがあるので、彼が使っていたペティナイフを彼の実家から持って来てくれた。
わたしの実家では母が料理をしてくれていたので、包丁もあまり使ったことがなかった。
ペティナイフは初心者のわたしに返って使いやすかった。
わたしは体に似合わず手が小さい。そんなわたしにはペティナイフが丁度だった。
彼がこまめに研いでくれたので肉でも野菜でも切り易かった。
わたしの実家が結婚を許してくれ、母が台所用品を買ってくれると言った時にはもうほとんどの物はそろっていた。
その時に母が買ってくれたのが三徳包丁だった。
食品によっては三徳包丁を使ったが、まあ、それからもほとんどのものをペティナイフで切った。
長い結婚生活の間には、京都の有次の包丁から堺の包丁なんかも使った。
それでも、ペティナイフは必ず包丁差しの中にあった。
どの包丁も研げばちびる。
近所のスーパーに百均が入ってる。
もう、2年以上前に相方がそこでペティナイフもどきを買った。
何故、もどきかと言うと、刃と柄の間の首がなくて、刃がそのまま柄に入り込んでいるんだ。
相方は釣った魚をしめるために買ったらしい。
でも、これがすごかった。
わたしはずーっとこのナイフを使っているが、切れ味もよくわたしのちっこい手に丁度よい大きさなんだ。
固いカボチャからキャベツの千切りまで、何でもござれ。
今までの、万円した包丁と何の遜色もない。
メーカー名も入ってない百均の包丁、恐るべし!