吟行

昨日は久しぶり、1年11か月ぶりの吟行で、大阪淀屋橋近くの適塾へ行った。

 

適塾緒方洪庵が1838年に開いた学塾で、元は医学の塾だったが、オランダを通じて伝えられる最新の知識に学生たちが興味を示し蘭学塾へと。福沢諭吉大村益次郎など多くの優秀な人材を輩出した。

と、ネットである程度、仕込んでから行ったんだけど、すぐ見終わっちゃうと思ってた。

地下鉄出口から2分ほど。

間口は10メートルちょい、奥行き40メートル弱のいわゆる鰻の寝床風の木造の建物。

 

これが実にしみじみと味わい深い吟行先だった。

 

1階はいくつかの畳の部屋と厨(くりや)と呼ぶに相応しい台所、南側に前栽をはさみ蔵があった。

急な階段を登った2階の板の間の板の隙間から1階が見えた。つまり1階の天井板が2階の床板だったんだ。北のどん突きの部屋が大部屋と呼ばれる塾生たちの部屋。一人一畳、寝るのも勉強するのも。昨日はすべての窓が開け放たれていたので寒さもひとしお。

大部屋の真ん中に柱が1本立っているが、無数の傷があり、中には刀疵も。

幕末から明治にかけて、青年たちが狭い場所で競い合って知識を吸収しようとした熱気が感じられた。

 

そこを出て、まだまだ沢山の落葉を落とす銀杏並木を見ながら、御堂筋を梅田に向かった。

久しぶりのメンバーといろいろなお話しながらの楽しい散歩で、これもまた吟行。

 

午後から句会。

 

結果は5句出しで先生の並選1つ、互選が3つ。

すぐにこれらの句を世話人さんが主宰へ送って、1週間弱で結果が返ってくる。

 

結果はともあれ、昨日の吟行は心に沁みた。