月渡る
さっき帰ってきたとこ。
今日は俳句の教室の日だった。授業で人名の入った俳句について教えて頂いて、3句出しの句会もあった。
2句に先生の並選と互選も3つもらった。
うん、上出来だあ。
あんね、9月のH句会の兼題が「月」だったので、ずっと頭の中で月を転がしていたんだ。
そしたらベートーベンの「月光」が出てきた。ピアノ曲だ。そこから薄暗い鍵盤に月の光がさしている絵が浮かんだ。で、
月光や黒鍵の影白鍵に
って句が出てきたんだ。
でも、黒鍵や白鍵の小さい「っ」に月光の「っ」が加わると煩わしい気がして、ドビッシーの「月の光」、これもピアノ曲、の方がいいかなと思い、弾くのもこっちの方が好きだしと、上5を敢えて上6の字余りにした。だったらと「白鍵に」から中7始めて「黒鍵の影」と下5に句またがりにした。この方が鍵盤のでこぼこした感じが出せるかと思ったんだ。で、
月の光白鍵に黒鍵の影
として投句した。
でも、選に入らなかった。
では、と
月光や黒鍵の影白鍵に
と直して、先生個人でなさってる投句会へ10月分の5句のうちの1句として出して見た。
昨日、結果が送られてきた。
一応、特選にはなったが、先生が添削して下さっていた。
黒鍵の影白鍵に月渡る
すごい。
月の傍題に「月渡る」があったんだ。
月が東から西へと夜空を渡っていく様子だ。
すると、黒鍵の影も姿を少しずつ変えていく。
ぺったんこだったわたしの句に膨らみと動きが加わった。
ぶるっと震えた。
すぐ、先生にメールしてお礼を述べた。
するとお返事が来た。
「まりさま さすが、さすが。影の動きを狙った添削とよく判って呉れました。添削冥利につきます」って。
俳句ってホントに奥が深くって、ますます面白くなってきたよ。