昨日の句会は何だかハチャメチャだった。
句会に実際に来ていたのは15人程だったけれど、投句なさった方が同人数くらいで、ものすごく時間が掛かった。
投句者は句歴数十年のベテランで、体調や足の具合が悪くて会場へ来られない方々。
大層、お上手な方々なのだ。
わたしの5句など互選では鼻もひっかけられず、先生の選にも漏れた。
ただ、主宰は沢山、選をお取りになるので、4句、並選をいただけた。
ちょっと驚いた。
近ごろ、主宰がよく取って下さるのだ。
歳が少しお若いから、わたしの変わった句も面白がって下さるみたい。
メンバーにはそれを面白くないと思ってらっしゃる方もいる。
何だか微妙。
今朝、歯科へ行って、今度は左上の奥歯の治療してもらった。
麻酔が効いててもあの音は怖い。
自然に体がこわばり、力が入る。
いつものポニーテールの金太郎さんの先生は「こっちの虫歯の方がましですよ」とおっしゃり、実際、前回より早く終わった。
気持ちが楽になって「先生、わたし、俳句してるんですけど、前回の治療を句にしたんです。特選いただきました」と言った。
先生は「どんな句ですか」と訊かれたので「虫出しの雷という春の季語があるんです」と言って、春先のひときわ大きな音の雷だと説明した。で
「虫出しの雷口開けて歯科の椅子」
と披講したら、先生は目を見開いて
「いい句ですね。わたし、この句、好きです」と言いながら、カルテに句をメモされた。
「啓蟄のころ、雷の音に驚いて虫が出てくる感じと、タービンで虫歯を取り除く感じが重なります」
「タービン?」
「あの虫歯を削る器械です」
なるほど。
歯科医と患者とでは句のとらえ方が違うんだ。
面白い。
作ったわたしには治療への不安感のようなものがあるが、先生は爽快感めいた感覚で捉えてらっしゃる。
やっぱ、あの先生、好きだなあ。