タコ焼き屋

近所の「お気に」のタコ焼き屋さん、1年半ほど前から12時開店スタートだったのを1時からにしちゃったんだ。

お昼ご飯には最高だったのに。あっちゃんのおだしの効いた大きなタコの入ったの、大好きだったのに。

1時から開店してもタコ焼きができ上るまで、20分やそこらはかかる。

相方は朝、6時に起きて7時には朝食をとるから、12時開店でも遅いくらいなのだ。

でも、タコ焼きは晩ご飯にはならないし。

 

スーパーへ行く時はいつも彼女のお店の前を通る。だから、この1年半、顔を伏せて通り過ぎてた。

 

今日、相方はいつものNYチームの練習の日だった。

お昼に食べるものがなんもないなあ。

彼が片付け済ませて帰ってくるのは大体1時過ぎるし、それから荷物整理してシャワー浴びてしてたら、1時半くらいになる。

だったら彼が帰ってきたら、あっちゃんのお店に電話して後で取りに行けばいい!

 

なんで今まで思いつかなかったんだろう。

 

相方が1時過ぎに帰ってきたから、久しぶりにタコ焼きにするよと言って、彼女に電話した。

「ご無沙汰してます。Yです。後で取りに行きますから、いつもの20個、お願いできますか」

「はい、ソースマヨネーズ10個と醤油10個ですね。1時30分くらいになります」

 

で、1時25分くらいに行ったら「もうすぐ、できます」

「なぜ1時にしはったの?」と訊くと意外な答えが返ってきた。

「父に介護が必要で、ヘルパーさんは朝は来てもらえなくて。自転車で行ける距離なので午前中は父の所へ行ってます」

そうか、あっちゃん、若く見えるけど、お父さんには介護が必要なのか。

 

「あれ、提灯は?」

彼女の小さなお店には、窓の左右に「たこやき」と書いた赤い提灯がぶら下がっていたのに。

「自転車のサスベーって知ってはります?」

うん、知ってる。大阪特有の自転車に傘を固定する器具だ。

「あれを付けると傘の骨の先が丁度の高さになって、それが当たって提灯、ぼろぼろになったんです。だから、提灯は止めにしました」

店の前の道は細いけどスーパーに繋がってるから人も自転車も多い。

可愛らしいランプ型の照明にかわっていた。これもいいじゃん。

 

袋持って行ってたんだけど、彼女がこれの方がきっちりのサイズだから、といつもの袋に入れてくれた。割り箸を付けてくれようとしたのに、わたしが「あ」と言ったら「そうでしたね。要りませんでしたね」

 

今日からまた、タコ焼きが時々お昼に食べられる。