Pale Blue

わたしは学生のころ、日本の歌は歌謡曲も演歌もグループサウンドもフォークも好きじゃなかった。以前書いたように、The5th Dimensionという黒人のグループにはまっていた。

その後は女声コーラスを始めて、19才で混声合唱団にアルトが足りないのでと引っ張っていただき、ひたすら合唱だった。

30代以降はロックやジャズ、ポップスなど英語の曲オンリー。

そんなこんなでテレビの歌番組も紅白歌合戦もこの半世紀近く、ろくに見たことがない。だから、流行りの歌も歌手も知らない。

 

テレビのラブコメディーが好きで録画して見てる。

その中のひとつが「リコカツ」で、主人公のカップルとその両親の3組が離婚しちゃうというかなり思い切った内容のコメディーだ。

このドラマの終わりに流れる主題歌「Pale Blue」が気になって仕方がない。

あんなハチャメチャなドラマにこの曲か。

敢えてではあろうが。

 

シリアスでドラマティックな始まり方をする。6度の音程の山を感情をこめて上って下りる。この曲の中でこの山が何度か繰り返され、その間を波が動く。この波も感情的であり、たいそう美しい。3連符が用いられたりし、ますます波の満ち引きのようだ。

胸の奥がざわめく。

最後に山は波の間に沈んでゆく。

実によくできている。

 

ただ、歌詞が・・・。とても美しいイメージの言葉がちりばめられているのだが。

文法的な感覚の差なのか、何を言おうとしているのか分かりにくく、文章の途中で置き去りにされる。

だから、わたしは歌詞の世界をわたしの中で再構築しにくいのだ。

それだけが残念。

 

ネットで調べたら米津玄師と言う方の作品らしい。

 

この何十年かでわたしが初めて興味をもった曲だ。