キャロリング
明日はクリスマスイブ。
20代のクリスマスは何といってもキャロリングだった。
神戸の小さいけれど素敵な混声合唱団に入っていた。
毎週火曜日の夜に神戸のとある教会付属の幼稚園で練習していた。
クリスマス前の一夜、年末の忙しさを何とか縫って十数名が何台かの車に分乗して、まずはいつも幼稚園の部屋と小さな椅子を使わせていただいている教会、それから指揮者の先生や作曲の先生などお世話になっている方々のお宅の前に立ち、ロウソクに火を点け讃美歌集を開き、ディレクターのタコさんの指揮で歌い出す。
最初の曲は「もろびとこぞりて」。
家の中からご家族が出てきて下さり、ご近所さんも聞きに来られる。
2曲目以降はタコさんが気分次第で待誕や降誕の讃美歌を選んで番号を言う。
20数曲あるので、わたしには初見の歌もあって、結構、緊張する。
わたしたちはかじかむ手でページをめくり、歌う。
4,5曲歌って、次のお宅へ向かう。
お茶とクッキーなどを振る舞われたりした。
寒い12月の夜のとてもとても暖かい思い出だ。
去年、クリスマスイブの夜にこの20数曲をピアノで弾いた。
懐かしくて涙が出そうになった。
二度と戻らない青春のクリスマスだ。