パナシのうた
子供たちが小さかった頃、テレビでよく耳にした歌がある。
暗記しようとしたつもりはないけど、曲の調子がいいのと歌詞のおもしろさで、つい口ずさんでいたからだろうか、今でも覚えている。
「パナシのうた」
やりっぱなし、置きっぱなしでママに怒られる女の子の歌だ。
物忘れのひどいわたしがこの歌を覚えているのは、いまだにパナシがそばにいるからだ。
シャツの脱ぎっぱなし、鍵の置きっぱなし、タバコの吸いっぱなし。まだまだあるが、結局、わたしが探し回ったり後片付けをしたりする。そのたびに頭ん中でこの歌を歌ってきた。
今朝も寝室に靴下が片一方だけ転がっていた。相方に訊いても「その辺にあるやろ」。洗濯し終えて干そうとした衣類の中にもう片方が入っていた。
ちぇっ、面倒っちい。
「あなたねぇ、子供んとき、お母さんにやりっぱなしはだめって、怒られなかった?」
ちょっと間を置いて、「うん」。
やっぱり、3男でお母さんに甘やかされてたんだ。ここはびしっと、とは思うのだが、ま、いいか。
娘たちに「お母さんはお父さんに甘過ぎる」と注意されている。
でもね、相方に何かあったら、置きっぱなしも脱ぎっぱなしもなくなっちゃう。それより、この程度のことなら彼が生きてる証拠みたいなもんで、ま、いいか なんだ。
甘やかしすぎてる?