Summer Time

今週のお題は「夏うた」である。

何といってもジャズの "Summer Time" だ。

ジャズボーカル習っていたころにムズ過ぎて七転八倒した覚えがある。

 

今、ネットで調べ直したら、この曲はジョージ・ガーシュウィンがデュボーズ・ヘイワードという人の小説に感銘を受け、オペラ「ボギーとべス」を1935年に作曲、その冒頭の曲らしい。歌詞もいいんだよ。同じくヘイワードの作らしいが。

そんなに長くないから、書くね。

 

Summer time

And the livin' is easy

Fish are jampin'

And the cotton is high

Your daddy's rich

And your mamma's good lookin'

So hush little baby

Don't you cry

 

One of these mornings

You're going to rise up singing 

Then you'll spread your wings

And you'll fly to the sky

But till that morning

There's a' nothing can harm you

With daddy and mamma standing by

 

これは子守唄で、たぶん広大な綿畑の持ち主の裕福な白人の家に雇われた黒人の子守り女が、白人の赤ちゃんを寝かしつけようと歌っているんだろう。「livin'」なんかの省略や「daddy and mamma」なんかに南部の黒人ぽさが感じられる。

この子守りさん、まだ少女だろうけど、いい子だね。「夏は楽ちんだ。魚は跳ねるし、綿は育つ。あんたのお父ちゃんは金持ちでお母ちゃんは美人だ。だからおちびちゃん、泣かないでねんねしな」ってあやしてるんだよ。

おまけに「ある朝がきたら、あんたは立ち上がって歌い出す。翼をひろげて空へ飛び立つんだよ。その朝まであんたを傷つけるものは何もないよ。お父ちゃんとお母ちゃんがそばにいてくれるからね」って。

自分には金持ちの親も広がる未来もないだろうに、何て心の美しい子なんだろう。

 

この曲をビリー・ホリディが1936年にジャズで歌い、大ヒットする。

今回、聴きなおした。彼女は淡々と歌ってるのに、歌の中の子守りの気持ちが聴き手の心に入り込んでくる。何とも切なく優しい。

 

夏の夜にビリー・ホリディの「サマータイム」など、いかが?