愛しき者へ
先日、次女からコメントが入った。
「たまたまブログ見つけて、なかなか連絡できないから、ブログで元気にしてるのを確認出来て、ホッとしていたのに・・・。こんな事、書かれてるなんて思いませんでした。出来の悪い娘ですいません」
直ぐに彼女に電話をした。
2014年2月、彼女はうちの近くの産婦人科で大変な思いをして長男を生み、その後、2か月うちにいた。その年の11月に子供を連れてうちに泊まりに来ていた。
わたしはそのころYAHOO!でブログを始め、ひと月に2,3回のペースで書いていた。
その11月に書いたブログ「真夜中のパンがゆ」は今も覚えている。
わたしは離乳食にパンがゆなど作ったことがなかったので、彼女に教えてもらい、子供と一緒に彼女が寝てから、薄暗いキッチンに立ちパンがゆを作った。
それは静かでとても幸せな時間だった。
彼女が幼稚園のころだった。長女は相方に似て、どんなことも自分で経験して善し悪しを判断するような子で、危なかしっくて、わたしとも喧嘩が絶えなかった。
一方、次女は友達とも仲良くして明るくてとてもいい子だった。
それをいいことにわたしは長女にかかりきりになっていった。
継母だから上手く育てられないと思われるのが怖かったのだ。
小学校に入って次女は段々と口数が少なくなっていった。
それでもわたしはまだ長女の方に気を取られていた。
どこかで次女は血が繋がっているから分ってくれるだろうと勝手な思い込みをして、きちんと彼女を見ていなかったのではないか。
月日は流れ、二人とも大人になってから、そのことがわたしの悔いとなり、次女への負い目となった。
わたしには彼女ほど愛しい者はいない。相方とは違う意味で。
孫より彼女の方が大切なのだ。
それなのに、わたしはブログの読者数を増やすことに気を取られ、意気がって血の繋がっていない長女とずっと上手くやってきたような誇張した書き方をした。さらに次女をおとしめるような書き方を何度かした。
こうして彼女を傷つけた。
彼女はYAHOO!の「パンがゆ」から読んでいたらしい。Hatenaに移っても時々、覗いてくれていたらしい。7年間だ。
わたしは身内がこのブログを読むことなどないと思い込んでいた。
だから平気で作り話も書いた。
例えば化粧品もわたしの方から、ついでだから買って送ると言ったのに、彼女の方からねだったような書き方をした。
ただ、長女の方が話しやすいというのはある意味、本当だ。
わたしは次女が怖いのだ。きちんと目を配って育てられなかった後悔のせいだ。
彼女が可愛いが故に彼女を恐れ、普通に話せなくなっていった。
そのくせ、彼女なら分かってくれると甘え掛ってもいた。
何という矛盾。何という身勝手。
彼女が話したいことがあっても、わたしがぺらぺら、のべつ幕なしにしゃべるものだから、話せなかったそうだ。しゃべりの母と無口な次女の悪循環。
次女と電話の向こうとこちらで泣きながら話をした。
彼女は彼女のことが可愛いのならどうしてあんな悪口めいた書き方をするのと訊く。
わたしには「ごめんなさい」しかない。
彼女がわたしのブログを読まなくても、わたしは彼女をおとしめるような書き方をしてはならなかったんだ。
そんな当たり前のことさえ分からない愚かな母だった。
ブログを止めようと思った。しかし彼女が「好きなんでしょ、ブログ書くの。続けたらいい。ただ、わたしだけじゃなく人が不快に思うようなことは書かないで」と言ってくれたので、続けることにした。
この文章も彼女にまず見てもらって、また話をして、4日掛った。
彼女はまだ傷つき、体調を崩している。
わたしのせいだ。
出来の悪いのはあなたじゃない。わたしの方。
時間かけて考えて納得したら電話ください。
もう一度、わたしをあなたの母にしてください。