ふうーっ

午後3時ごろ、初めてパールちゃんでお出かけした。

行き先はお墓。

相方の最初の結婚の時の次女が1才で亡くなり、彼が彼女の為に建てたお墓だ。

昨年の春から行かなかった、いや、行けなかったので、1年ぶりとなる。

 

昨年はメルセちゃんで行った。

今年はパールちゃん。

どっちで行っても40分くらい掛かる。

ただ、相方がハイブリッド車にまだ慣れていないだけでなく、わたしも左座席が久しぶりで、シートベルトを右手で探してしまう。

相方は外車は左ハンドルがカッコいいという俗物だったから、ベンツを探していた時、左ハンドルのならありますが というディーラーさんの言葉に跳びついたんだ。

わたしはエェェェー、恥ずかし と思ったが、「運転手は君だ」から、それ以上、言わなかった。

 

もとい。

墓地には他の人は誰もいなくて、線香とお花とお菓子を持って、坂道を登った。

お墓には茶色の枯れた草がびっしり付いていた。

たぶん菫だ。

昨春、敷地一杯に菫の花が咲いていたから。

ほーら、墓石の影に1輪、小さな紫色を見つけた。

きれいに掃除して、お供えをして、手を合わせた。

「また、来るね」

相方はいつもそう言う。

彼女はいつも待ってる。

父である彼を。

彼らはいずれ再会する。

 

ごめん。

もうちょっと待って。

わたしは39年間、いつも心の中でそう言ってきた。

 

帰りに彼の地元のT寿司へ、頼んであった寿司折を取りに行った。

お正月に行った寿司屋さんは、美味しいんだけど商売っ気がありすぎて、何だか無理強いされてるように感じるところがある。

このT寿司は、昔から相方の実家と付き合いがあって、亡くなったお義母さんが何か特別な日に出前を取っていたお店だ。わたしも彼と付き合っていたころ、食べさせてもらったことがある。

ネタもしゃりも海苔も何もかもいい。

ただ、自転車では遠すぎる。電車も不便。車では飲むことができない。

だから、今日も電話で頼んであったのだ。

 

家に帰って、ようやく39回目の独立記念日 兼 結婚記念日の乾杯をした。

やっぱり美味しい。

握りはもちろん、わたしはここの巻寿司が大好きなのだ。

湯がいた三つ葉が入っている。

お酢の具合もぴったり。

要するに母の巻寿司にそっくりなんだ。

わたしはああいうふうにはできない。

 

まあ、そんなわけで3日がかりでの記念日を無事、終えました。

ふうーっ。