Rへの手紙
昨日、一番年が上の孫、Rに封書を送った。
彼は長女の長男だ。
長女は相方の前の妻の娘なので、わたしとは血が繋がってない。
故にRとも血は繋がっていないけれど、今、わたしの一番のお気に入りだ。
彼は15年前の3月30日にうちの近くの産婦人科で生まれた。
それから1か月ほどうちにいた。
赤ちゃんってこんな小さかったのかと思った。
子羊のようにめーめー泣いて、ガーゼの産着と同じくらい軽かった。
あれから15年経って、身長は170センチをこえ、ハンサムで陸上のエース、塾は怠けるが、学校の授業だけでもそこそこの成績を出せる子になった。
でも、鬱屈している。母親が弟ばかり可愛がってきたからだ。
わたしは何度か彼女に注意したが、無駄だった。
もうすぐ彼の15回目の誕生日だ。
そして高校生になる。
誕生祝と入学祝を兼ねて少しお金を同封した手紙に、次のように書いた。
Rへ
お誕生日おめでとう。
そして、高校入学おめでとう。
高校生ともなれば自分の人生というものを意識し始めるでしょう。
誰のための人生でもありません。
あなた自身の人生です。
好きなように生きて下さい。
残念ながら後悔のない人生などないのです。
だから自分で選んで日々生きて下さい。
まだしばらくは親が責任の一端を担ってくれますが
最終的にはすべての責任を自分で担える人間になって下さい。
Rがどんな青年になってゆくか、楽しみに見ています。
まだようやく高校生になろうとしているのだ。
ちょっと難しすぎるが、彼なら理解してくれるだろう。
少しでも早く、精神的に親から独立してほしい。
彼なら出来る と信じたい。