箪笥の引き出し
わたしはここの所ずっと、毎日ブログを書いている。
まったく傍迷惑なことであろうとは推察されるが、朝起きて歯を磨くとか、昼に冷蔵庫の中の残り物を確認するとか、晩にお風呂に入るとかと同様、日々のリズムの中に組み込まれている。おまけにブログを書くことは楽しみなのだ。
何を書くかに困ったことなど、ない。
引き出しには何かか必ずある、たとえそれが襤褸であっても。
箪笥自体も古いものだが何竿もある。
馬齢を重ねて箪笥の数はどんどん増える。
何が入っているのか本人も忘れているのだが、何かの拍子に記憶に触れるものがあると、勝手にそれに関する箪笥の引き出しが開く。
理数系の箪笥はない。政治経済も。
文系と音楽、美術系が多い。
一番関心があるのは「人間」だ。
これらの箪笥の引き出しの中身を取り出して、よく見もせずに書き始める。
だから、話がずれていったり、収拾が付かなくなって初めから書き直すことなど、しょっちゅうだ。
現実のわたしは早口で不明瞭な話し方をする。
開高健のように文章を読むように話すことができればいいのだが、そうはいかない。
あと何年、ブログを書き続けられるかは判らないが、箪笥の数はまだまだ増えていくだろう。