The 39th Anniversary

今週のお題「鬼」

例年なら、今日、2月3日が節分で豆まきする日だ。

そしてわたしにとっては独立記念日である。

 

39年前の2月3日の朝、いつも通りに「行ってきます」と家を出て、会社には行かず、彼と、彼の1才で亡くなった次女のお墓参りへ行き、彼の実家のある街の市役所へ行って婚姻届けを出した。

伊丹空港から母に電話をして、考えたいことがあるので旅に出るとだけ言って、母が裏返った声で何か言いかけるのを遮って切り、国際線へ。

ハワイで式を挙げ(たぶん日本時間で2月6日だと思う)、帰りの飛行機の中で「怖い。帰りたくない。日本で鬼が待ってる」と言い続けた。

帰ってから実家に連絡して、それから毎日、彼が仕事から帰って来ると2人でわたしの実家へ頭を下げに行った。最後には彼の母(彼の父は病床にあった)や兄たちも頭を下げに行ってくれた。

母は「なぜ後妻なんかに行く必要があるの?戸籍が汚れてもいいから、このまま家にいなさい」と言って、わたしの言うことに耳を貸そうとしなかった。

まず、折れてくれたのは意外にもわたしと反りの合わなかった父の方だった。

それから形だけの披露宴をして、わたしの実家側にも夫婦と認めてもらった。

その後、相方は毎週のように、日曜日にわたしと彼の長女、つまりわたしの両親にとっては義理の孫、を連れてわたしの実家へ行った。

小学校3年生だった長女を父は膝の上に乗せて可愛がってくれた。

母も相方にひどいことを言って申しわけなかったと詫びてくれた。

 

この一連の出来事が現在のわたしたち夫婦の核だ。

 

今年はコロナでどの店も閉まってるから、また来年、40周年記念パーティーでもすればいいと相方は言う。

でも、わたしは2人きりでも39周年のお祝いをしたいのだ。

だって、来年、2人とも元気でいるという保証はどこにもないんだから。