相方の入っているソフトボールのハイシニアのチームの1つで、リーグに属しているチームの、Uさんというキャプテンが高齢のためお辞めになる。で、例のE監督がまだキャリアの浅いMさんを後任に指名した。本来ならみんなで投票して決めればいいのに、相方がキャプテンに選ばれるのを怖れたようだ。Mさんは困ってIさんに相談し、この2人が相方に会いに来た。
2人は相方にキャプテンをしてほしいと言った。相方はみんなが望むなら受けたいと言った。
それから話はツルツルと進み、Iさんがチーム全員にメールしてその話を伝えたらしい。
そこで、例のE監督は慌てて「その話は直接、俺がY(相方)とするから待ってくれ」と結論を先延ばしにした。
結局、3週間も経ったこの前の日曜日の試合の後、全員一致で相方が選ばれた。
渋い顔をしたE監督に相方は笑顔で「よろしくお願いします」と手を差し出した。
E監督は差し出された手を払う訳にもいかず握手したそうだ。
今まで着ていた背番号13番のユニフォームを、洗濯してきれいにたたみ袋へ入れた。
次の試合から背番号10番のユニフォームを着る。
ほんとに人は変わる。
相方は一匹狼で、人と群れることを嫌っていた。
不良少年だったし、お勉強は好きじゃなかった。
そんな男が面白半分でPTA会長をして、ママさん達にしごかれて、だんだん人の上に立てるようになり、校長先生や教頭先生なんかとも仲良く話せるようになった。
それからだ。
知らない世界へ自ら、ずんずん進んで入っていくようになった。
口は重いが、一生懸命、誠意をもって話すことが出来るようになった。
今度はチームの改革を考えている。
彼には応援してくれる男たちが一杯いる。
やっぱ、わたしの目に狂いはなかったんだ。