ま、こんなもんよ
今週のお題は「大人になったなと感じるとき」だそうだけど、対象はせいぜい3,40代までだと思う。
5,60代以上になれば、逆さまに「大人のくせに何してんだと感じるとき」だよ。
年重ねて、見た目は十分おじさん、おばさんなのに、中身は子供ってのがいっぱいいる。
どっかの大統領とか、親戚の困った叔父さんとか、テレビに出てる人たちの中にも。
ね、思い当たる人、いるでしょ。
わたし自身もその1人だ。
キャリア40年の主婦のはずなのに、遅寝遅起き、相方が料理できるのをいいことにリタイア後は彼の腕を当てにしまくって、買い物の荷物持ちにもついて来てもらう。
掃除洗濯も冬なら週1,2回。
ひたすら趣味に没頭してる。
娘たちは結婚して遠くに住んでいるが、2人ともしっかりべーの主婦だ。
だから、わたしのことなど尊敬に値しない女だと思っているだろう。
その通りだけど。
子供のころは成長が速かったので、頭の回転もはやく、口も達者な可愛げのない子だった。中学で挫折、自分くらいの子はいくらでもいる、いやいや、自分なんか大したことないんだと、どんどん根暗になっていった。
わたしが大学を卒業した時、親は「家事見習い」をさせる気だったらしい。
ところが、どっこい、大学のゼミの先生が素晴らしい女性で、女性の自立の意味を身をもって教えて下さった。
だから、自分で就職先を探して、社会へ出た。まだまだヒヨコだ。
2度目の会社で自分の仕事に自信が持てるようになったのが27歳ごろ。
ようやく社会人って言えるかなと思ったころに、相方と出会った。
彼はバツイチ子持ち。今度は、わたしに継母になることなんてできるのだろうかという大きな課題が突き付けられた。
とてもそんな大きな責任を背負えるような人間ではないと、1度は別れた。
でも、悩み抜いた結果、前を向いて進むことに決め、それから着々と準備をし、6カ月後に駆け落ち。親や祖母を泣かせ、2度と実家には帰れないという覚悟でだった。
ハワイで結婚式を挙げ、日本に帰ってから、実家へ何度も頭を下げに行けたのは、今、考えると、反りの合わなかった父が折れてくれたおかげだ。
大嫌いな父だったが、彼は「大おとな」だった。
結婚してからのわたしは、義理の娘と実の娘を平等に育てようとしたのに、実の子にきつく当たり過ぎて、どちらの心にも傷をつけてしまった。
そんな娘たちはわたしを反面教師として、それぞれ強い母親になってる。
結局、わたしは大人とは言いがたい女である。
年の分だけ容貌も体力も頭の中身も衰えてるのに、大人としての厚みが出たり、何かを積み上げたり、できてない。
いずれにせよ、わたしは真っ当な大人にゃあなれない。
ま、こんなもんよ。