季重なり

今日は俳句の教室の句会だった。

5句出しで並選3特選1互選6.久しぶりによい成績だった。

 

家に帰って相方に報告したら「原爆忌の句は?」と訊かれた。

 

実は今回の兼題は「サマードレス」の傍題の「アッパッパ」と「声」だった。

「声」は季語ではない。だから、季語を組み合わせて句作しないといけない。

で、真っ先に出てきたのは「蝉の声」だった。

だって朝から耳が痛い程で、暑さよりうるささで窓閉めて冷房入れるんだから。

そこから毎年、広島の慰霊祭の日のニュースで、蝉がいつも沸くように鳴いてたのを思い出したんだ。

そして、自然に「原爆忌」という季語が出てきた。8月6日、本日だ。

ところが「蝉」は夏の季語、「原爆忌」は秋の季語。

同じ季節の季重なりなら、まあ上手く使えていればO.K.だけど、違う季節の季重なりはアウトだ。歳時記に載るような有名な方なら違う季節でもあり得るけど、わたしみたいなのには「100年、早いっ」。

というわけで、先生にメールで相談した。

「季節の違う季重なりはちょっとねぇ。でも、教室なんだから、出してみてごらん」とおっしゃった。

添削に添削を重ねた結果、小さくあるべき方の「蝉」の存在が「天地(あめつち)」なんて形容を加えたりしたもんで余計に大きくなってしまった。

 

で、結局、句会には出さなかった。

始まる前に先生の所に行って「出すの、やめました。これですけど」と見てもらった。

「季節の違う季重なりだけど、これならいい。僕なら丸、付けるよ」とおっしゃった。

原爆忌は大きな季語だから、蝉には負けていないし、実際、今日も蝉は広島で鳴いているんだから」とおっしゃった。

「この句をよその句会に出してもいいですか」「いいよ」

 

少しずつ、わたしは進歩している。

先生のおかげだ。