中秋の名月

昨夜、2022年9月10日の夜は中秋の名月で、おまけに満月だった。

夕方からそわそわとベランダへ出て空を眺めたが、濃淡の灰色の雲が空を覆っていた。

暗くなってからも、雲の影で月は見えなかったり、見えても一部だったり、ぼんやりだったり。

真夜中近くなってようやく満月全体がはっきりと見えた。

見てはその印象をノートに書くため部屋へ戻り、違う見方はないかとまた出て見て部屋へ戻ってメモを取り、を繰り返した。遠くを見るための眼鏡と近くの字を見たり書いたりするための眼鏡を取り換える必要があるから。

 

「雪」「月」「花」が三大季語で、秋の季語「月」の傍題は「四日月」「月更く」「月落つ」など49もある。(角川俳句大歳時記)

「名月」も仲秋の大きな季語で、その傍題は「明月」「満月」「望月」「望の夜」「今日の月」「月今宵」「今宵の月」「三五の月」「三五夜」「十五夜」「芋名月」「中秋節」と12もある。

ちなみに「仲秋」も季語で、傍題は「中秋」と「秋半ば」の2つ。

だから1句に「中秋」と「名月」の二つを入れると季重なりとなってしまう。

 

なんてことを考えながら、ノートに書いては消し書いては消しをした。

 

今朝になってもまだ推敲を続けていて、何とか形になりそうなのは4句。

でも、まだまだ完成には程遠い。

 

わたしは吟行へ行って、季節を感じ、季語(動植物や祭り、自然など)を見て詠むのが好きだ。

もちろん時間が限られるので難しいんだけど、季語の方から心に語り掛けてくれることがたまにある。これを捕まえることが出来たら、後は簡単なんだ。

ほんとに、たまにだけど、この瞬間がたまらない。

必ずしもこの句が句会仲間のみなさんから選を頂けるとは限らない。

それでも自分自身にとっては幸せな経験なんだ。

 

昨夜の満月とはお話できなかったけれど、心に姿が残っている。

出来るだけ写真には残したくないので、ノートのメモと心の中のイメージで、少しずつ形作っていく。

 

後日、句会に出して選に入ったら、またご披露致しますが、さてさて。