ハイボール

わたしはだいたい毎日、お昼はブログと俳句で、夜は録画したテレビを見て暮らしている。

昨夜も晩ご飯の後片付けを終えて、まず3週間ほど前の鬼平犯科帳スペシャルを見た。

見終わって、録画リストから削除して、次何見ようかと70タイトルほど入っているリストを早送りしていると、突然、途中から真っ黒になった。慌てふためいて、リストをはじめに戻したら、タイトルが全部消え、「0/全 0タイトル」って表示が出た。でも、録画可能時間は119時間42分って書いてある。全部で200時間くらい録画できるはずなんだ。

え?何?意味不明。

うちの録画は、テレビに機能として内蔵されてるやつじゃなく、黒い四角い箱型の器械にコードで繋ぐやつ。

何度もスイッチ切ったり入れたり、録画リストをつけたり消したりしてみたが、黒いまま。

説明書にも何も書かれてないので、電話番号を見つけて電話してみたが、9時すぎてたので営業時間外。

 

困り果てて、寝室の相方に「録画が全部、消えちゃったよぉ」と泣きついた。

彼も録画リストをつけたり消したりしてみて、突然「コード、抜け」と言った。

「え、そんなことしたら、今、録画中のやつも消えちゃうよ」って言ったが、彼はお構いなしでテレビと録画用の器械のコード、2本とも抜き、も一度差し込み直した。

ちょっと時間を置いて、テレビつけて見た。

録画リストはちゃんと元に戻っていた。

録画中の番組の方もちゃんと動いていた。

「すごーい!天才!」

「だいたい、テレビはコード抜いて入れなおしたら、正常にもどるんや」

「ふーん。よく知ってるね。さーすがー」

 

わたしの父は、勉強もできたらしいし会社でも出世した、頭のいい男だった。

ところが電気関係がまったくアウトだった。電球一つ替えるのも電器屋さんだった。

相方はおじいちゃんの代からの町工場の3男だった。おじいちゃんに可愛がられて、小さいころから溶接の手ほどきなどを受け、住み込みの職人さんたちと一緒に育ってきた。だから、工場で使うような機械や電気関係のことはすごく詳しい。

わたしの中で男らしいさの基準の1つが、電気に強いことだったんだ。

 

というわけで、昨夜は相方にハイボールを1杯、余分に作った。

歯茎の腫れにはよろしくないけどね。