亀虫
亀虫ってご存知?
1センチちょいの角ばった体で、色は茶色や緑と種類はいろいろあるみたい。
ただし、どれも敵に襲われると尾部から悪臭のガスを噴出する、とある。
だから、秋の季語として歳時記に載ってるんだけど「放屁虫」「へこき虫」「へっぴり虫」「亀虫」「三井寺ごみむし」と散々な語が続く。
わたしは結婚してから、ずっと同じ地域に住んでいるが、前の家では見たことがなかった。15年前に引っ越した時、今のは新築のマンションだったので、アブラムシや蠅、蚊さえいなかったんだよ。
それなのに、亀虫は時々、ベランダの壁についているのを見たことがあった。きれいな明るい緑色のやつ。
一昨日の夜、PCで調べ物をしていたら、後ろのダイニングの灯りに何かがぶつかる音がした。とても軽いものらしいが、かなりの勢いで何度かぶつかった。
びっくりして見てみると、電灯の笠に小さな緑色が見えた。
柄を伸ばしてハンディーモップでそれに触れた。
と、気が狂ったように飛びまわって、壁や物にぶつかった。
洗濯物に付いて家に入ってきてしまったのだろう。
わたしは鱗粉のついてる蝶や蛾は触れない。飛んでるそばにも寄れない。あの鱗粉が空気中にばら撒かれていると考えただけで、気持ちが悪くなる。この原因については前に書いたのでパスする。
でも、カナブンやバッタ類なら平気だ。アブラムシも嫌いだけど新聞紙丸めて、やっつけられる。
だから、こんなちっちゃな虫なら大丈夫なんだけど、凄い匂いがすると聞いていたので、敢えてさわろうとは思わなかった。
で、相方に「亀虫がいるよぉ。こわいよぉ。やっつけて」と泣きついてみた。
渋々、相方がダイニングを覗いた時には、また笠に付いていたのだが、モップで触ると下に落ちた。それからが大変だった。
2人で探し回ったんだけど、どこにもいない。化粧道具の入った籠や俳句関係の本やノートの入った箱など中身をぜーんぶ出して、テーブルの裏やカーテンの襞の中まで調べたけど、どこにもいない。
「わたし、初めに殺虫剤かけたから、家具の裏で死んじゃってるのかも知れない」ということで、探すのを諦めた。
昨日は自転車で美容室に行き、帰って、晩ご飯の準備して、食べて、相方は寝室で、わたしはリビングでテレビを見ていた。
丁度、前の日と同じくらいの時間に、電灯の笠のあたりで、聞き覚えのある音がした。
え!生きてたんだ。
またまた、相方の出番で、今度はティッシュで取って、外のゴミ箱へ捨ててくれた。
わたしの頭の中は????で、1番の?はあんだけ探し回っていなかったのに、一体、どこに隠れていたのか だ。
一昨日、見つけた時に奥の部屋との間の戸を閉め、廊下に通じるドアも閉めたんだよ。
ダイニングリビングだけのスペースだし、家具もほとんどない。台所の棚類は全部、閉まっていた。いくら小さいとは言え、目立つ緑色だ。
日本語が話せるなら、取り調べをしたかったのに。
相方は「やっぱり光に向かう習性なんやな」とポツリ。
えっ!そこっ!