趣味

これまで試してみた趣味の数々はほとんど文化系だ。

高校の時に入った美術部やコーラス部で、自分には才能がないことを思い知った。

でも、大学の女声コーラス部ではいろんなことを学んだ。歌う方はイマイチだけど、ピアノ伴奏や指揮をするのが面白くて、4年間、授業に出ない日はあっても、コーラス部は皆勤だった。

2回生の時、誘われて混声合唱団に入った。中学から女子校オンリーだったわたしには、たいそう面白い経験だった。男声の、特にバスにはすごいカルチャーショックを受けた。女声コーラスにピアノ伴奏が必要なのは、低音部が欠けているからだと初めて気付いた。ここのディレクターの男性は丸々としたいかにもテノール体形で、6、7才しか違わないのにおじさんぽい人だった。彼が可愛がって下さって、この合唱団にどんどん馴染んでいった。結局、結婚する直前まで、ここで歌っていた。

 

体育会系は下の子が3才の時、ママさんバレーを始めた。

結構はまって、3チーム掛け持ちしてたこともある。

でも、身体が思う様に動いてくれなくなり、48才で止めた。

 

それから、新しい趣味を探し始めた。

文化系なら、歳は上がっても大丈夫だろうと、色々、試した。

1つ目のジャズピアノは1年もしない内に、叔母の介護でレッスンには行けなくなった。叔母が亡くなってから、今度はジャズヴォーカルに挑戦した。先生がすごく素敵な方で(わたしより年下だったけど)ジャズシンガーで、教える方もプロだった。わたしは彼女に会いたくて、通い続けた。しかし、自分の歌の下手さに我慢が出来なくなり、泣く泣く止めた。

 

そして、3年前の春に俳句の教室を見つけ、今の先生と先輩方と出会った。

俳句の面白さはもちろん、皆さん方とのお付き合いが楽しくて、今度は何としてもずっと続けるつもりだ。

俳句が面白いのは、奥が深いからだ。いや、ジャズが簡単だと言っているわけでは、絶対にない。むしろ、防音の部屋にピアノやマイクや音響設備などが必要で簡単にはできない。

その点、俳句は鉛筆と帳面と歳時記さえあればいい。

 

昨日の取り合わせの句だが、俳句入門書を読んで調べた。

一物仕立ての句は季語を前面に出して詠む。例えば高浜虚子の句。

 流れ行く大根の葉の早さかな

季語は「大根」で冬。大根の葉が流れていく様を徹底的に写生してる。

次は芭蕉の句で、取り合わせの例。

 菊の香やならには古き仏達

季語は「菊」で秋。漂っている菊の香と、古い仏像がたくさんあることは、直接、関係がなさそうにみえる。でも、奈良の秋の中でこの二つが出会うことで、わたしたちの目の前に奈良の景色が浮かび、菊が香ってくる。「や」という切れ字をはさんで、上と下が響き合っているのだ。

 

ね。難しいでしょ。詠めば詠むほど、ずんずん迷宮の中に入り込み、余計に難しくなる。でも、やめられない、止まらない。

先生、曰く「みんな悩んで大きくなった」

1ミリずつでも成長できますように。