向上心
相方が朝から何やら携帯をごそごそしている。
「何してんの」と訊くと「今日あたりに大阪の緊急事態宣言が解除されるかもしれへんから、ソフトボールも6月から再開しようかと思って、執行部にメールして相談してる」と言う。
彼は昨年からハイシニア(65才以上)のソフトボールチームの監督をさせられてる。
メンバーのほとんどが彼(71才)より年上なので、ほかの方々とメールで相談しながら、いろんな事を進めてきた。
しかし、彼の国語力は小学生並(以下?)なのだ。
「今回は」を「今回わ」と打ったり、読点(。)を句点(、)と間違えたり、「ます、です」調と「だ、である」調とをごっちゃにしたり。
わたしが注意してからしばらくは、わたしに見せてからメールを送るようにしていた。
今日、久し振りに彼のメールを見た。内容はともかく、文章に間違いはなかった。
「ちゃんと打ててるじゃん。完璧!」と言うと、彼は見えないしっぽを振って喜んでいた。
そうなんだ。思い出したよ。彼の一番良いところは「向上心」だった。
彼は30過ぎても不良少年を引きずっていた。普通の大人ならできることができなかった。例えば、ゴミはゴミ箱へ なんてあたりまえでしょ。それなのに、タバコを包んでる透明なプラを道にポイって捨てた。一度、注意したら、二度としなかった。
そういうことが色々あって、その度に自分を少しずつだけど向上させてきた。
今でも成長過程なんだ。
わたしも負けてられない。