夢を見た。

 

わたしはどこかの劇団の下っ端で、いつも裏方の雑用ばかりしている、役など貰えない30才代の女だ。その劇団の花形が柄本祐だ。夢の中の彼はとても優しく親切な人だった。わたしは誰にも知られず、彼に淡い恋をしている。

ある日、彼がわたしを彼の相手役のヒロインに と言ってくれる。わたしはキャリアも自信もないから と辞退するが、彼は諄々と説き続け、ついに受けることにする。

当然、彼への思いは強くなり、わたしの心から身体全体に広がってゆく。

ここで突然、60代のわたしが30代のわたしに言う。

「恋をすると女性ホルモンの分泌が盛んになり、肌はつやつや、目はいきいきとして、綺麗になるよ」

本当に自分がピカピカになって、30代の恋する女の気分で目が覚めた。

 

途端に、魔法はとけ、60代のわたしがそこにいた。

しかし、思い出した。人を好きになると、たとえ片想いでも心に満ちてくるものがある。つらいと感じることもあった。それでも豊かな日々だった。

 

恋に年齢は関係ない。しかし、わたしにまた恋をする日はくるのかしら。

ふふふ。