もてる

昨夜、点けっぱなしになっていたテレビをひょいと見たら、アイドルっぽい女性が頑張って痩せた話をしていた。「何のために?」と訊かれた彼女は「もてたかったから」と答えた。

わたしも若いころは痩せたかった。しかし、それは自分自身を鏡で見て、みっともないと思いたくなかったからだ。憧れている人や好きなひとのいる時は、その人に少しでもよく思ってもらいたいと考えたことはあったかも。

 

でも、彼女の「もてたい」は、不特定多数の男性に好ましく思われたいを意味してるように思えた。

なんかわたしのとは違う。

わたしは当たって砕けろタイプで、好きな男性に自分から告っていった。

フラれたら、見た目より自分の性格ややり方に問題があると思った。

 

テレビ、消しちゃったから、彼女が言わんとしたこと、最後まで聞いたわけじゃない。でも、もてたいと思うのは自然なことなんだろうな。そのために姿かたちをよくしたいと考えるのも自然なんだろう。

でもさ、わたしは本当にいい男だったら、外見じゃなくて中身を見るんじゃないかと考えてた節がある。

だから、わたしの青春時代は自分をよりましな人間にすることが一番の課題だった。

何しろ、頭でっかちの精神論を唱えるばかりで行動がついてこない変な女の子だった。

今もまだ、妙に青臭い60代だ。

 

もてるというのは広辞苑によると「持てる」と書き、「1、持つことが出来る。持ち得る。2、保たれる。支えられる。3、もてはやされる。ちやほやされる。人気がある。」という意味なんだそうだ。1と2はわかるけど、突然3だけ違う。

 

わたしはもてなかったけど、不特定多数にもてたいと思った事もない。

 

相方に関しては、会った途端、彼のことが背後霊のようにずっとわたしから離れなかった。彼はバツイチ子持ちだと知っていたのに。

彼は自分が傷つくのを恐れて、わたしと付き合おうとしなかった。

逃げられると追いかけるのが人の常だ。

で、追いかけ回して、結局、駆け落ちしたのだ。

 

いろんな人にいろんなやり方、考え方がある。

わたしなんか、見た目のいい男は中身にきっと問題があると思い込んでいた。

それはそれで、極端な考え方だったんだけど。

 

見た目じゃなくて(どうせ無理だけど)、中身でもててみたいものである。