不謹慎

あらま。また、今週のお題が出た。「ゲーム」だって。

我が家で今、ゲームと言えば、「花札」だ。紙でできた分だよ。

 

わたしは結婚して以来、精神的にしんどいことがあると、ゲームに集中して現実からいっ時、逃げていた。漢字のクロスワードナンバープレース、相方に付き合ってもらってオセロをしてた時期もある。

娘が2人とも結婚して、相方と2人だけになってからはちょくちょく花札をする。

これは現実逃避のためではなく、彼とのコミュニケーションのためだ。

彼はあまりしゃべらない人だ。しかも、最近、彼はソフトボールにとても入れ込んでいるし、わたしも俳句に一生懸命だ。だから、2人で一緒にできることとして、花札はナイスなゲームだ。

 

花札をしながらも、わたしはしゃべり続ける。彼はおおむね、黙っている。

わたしは嘘をまじえて揺さぶりをかけながら、彼の顔を観察する。

彼の白い口髭がぴくぴくっと動く。あ、今わたしの出した札に反応したってことは、あ、やっぱりそうだったのか と いろいろ彼の考えを読む。

何かの拍子に彼は「はい、そうです」などと、普段使わない丁寧な言葉を使う。

「変な喋り方、してる」と言うと「そんなことありません」と言う。

何かが憑依しちゃった。そういう時、彼は機嫌がいい。

黙り込んでる時が要注意。

 

こんなふうにゲームしながら、いつもとは違ったやり方で彼の状態を見ている。

彼もわたしの状態を見てるのだろう。

特にこの2ヶ月ばかりは、わたしの精神状態を気遣ってくれてる。

 

わたしたちの様にリタイヤして、年金生活をしている人間なら、毎日、電車やバスに乗って働きに行かなくてよい。それでもストレスはあるのに、現役の働き手やお母さんたちはどれだけストレスフルな生活を送ってることか。

 

花札してるなんて不謹慎でした。