飽きない女

今週のお題は「わたしの部屋」だそうだが、わたしにはわたしの部屋というものはない。

また、相方にも彼専用の書斎とか趣味の部屋とかはない。

わたしたちはマンションに住んでいるので、わたしたちの部屋はわたしたちの家だ。

 

前に住んでいた家は一戸建ちで和風だった。彼が大急ぎで探したものだった。

そこに初めは前妻の娘と3人、それからわたしが1人、娘を産み、4人で暮らした。

23年も住んだ。いろんな思い出がある。でも、どうしても好きになれなかった。

で、15年、いや16年前に、新しいマンションが少し離れたところにできると聞き、まず、わたしがモデルルームを見に行き、一目惚れ。次に相方と一緒に行き、即、契約。その時はまだマンションの基礎が始まったところで、それから入居まで1年半以上かかった。

その間に、わたしにはどんな部屋にするか考え準備する時間が一杯あった。

相方は仕事に行くが、わたしは一日中部屋にいる。だから、わたしの好きなインテリアにさせて と強く希望した。

 

結果、エスニック風の味付けの和洋風の部屋にした。15年経っても満足してる。

特にリビングの収納の為に買った水屋箪笥、年月を経て赤っぽい茶色が実にいい色になった。黒檀の広い座卓も渋い風合いが出てきた。玄関のインドネシアの木製の細長い椅子は鰐の形をしていて、今も「お帰り」と迎えてくれる。

 

前の家に住んでいる時は、旅行から帰ってくるのが嫌だった。

今の家は帰ってくるのも楽しみだ。

わたしに馴染み、安心感を与えてくれる。

 

わたしは好きな部屋にも男にも飽きるということがないのだ。