土鍋でご飯

前の家に娘たちと住んでいたころ、うちには大きな大きな土鍋があった。

わたしたち夫婦も娘たちもよく食べたので、4人用ではとても間に合わなかったのだ。

 

2人になった時、土鍋は嵩高く、マンションには収納スペースが少ないので、琺瑯の背は低いが底面積の広い鍋に変えた。白地に青や緑の植物が周りに描かれていて、見た目もよくサイズも丁度だった。洋風はもちろん、和の料理にも使っていた。

ところが底に焦げ跡がついた。しばらくお湯を張っておいたが、洗剤だけでは取れなかった。で、イラチのわたしは金たわしでこすっちゃったんだ。

やっぱり、ほそーい傷痕が沢山、できちゃった。

でも、使えるから使ってた。

 

1月初旬、NHKの料理番組で栗原はるみさんが土鍋で中華風牡蠣の炊き込みご飯を作ってた。とっても簡単そうでおいしそうだったから、録画しておいた。

 

先日、買い出しの日にスーパーへ行き、たまたま土鍋をセールしてるのに出くわした。

2人用のはあまりに小さくて、その上は4人用。これも直径24センチでそんなに大きくない。ただし、本体も蓋もまあるくカーブして高さはかなりある。

外は黒で中がベージュのシンプルなやつ。

見た途端に「これで牡蠣ご飯炊いたら美味しいだろうな」って思った。

 

幸か不幸か、元下の娘の部屋は相方のせいで物置と化している。

ソフトボールの道具からユニフォーム、本や書類や何やかやで足の踏み場もない。

土鍋の箱1つ位、何とでもなる。

 

というわけで買った。

先日の相方の誕生日のてっちりがその土鍋のデビューだった。

 

そして昨日、念願の「中華風牡蠣の炊き込みご飯、たまごのっけ」と言うのを作った。

テレビの通りにしたんだけど、牡蠣の数が半分しかなかった。

まあ、大丈夫でしょと土鍋を火にかけ、弱火で12分、火を止めてから20分程蒸らした。蓋を取ってみたら、ご飯粒がごっちんだった。ちょっと食べてみたけどやっぱり、ごっちんで芯があった。

相方が水を少し加えて蓋をし、しばらく強火にかけ、そのまま、また20分程蒸らした。

 

「もう、ええやろ。開けてみ」

ご飯粒はきれいな薄茶色で上を向いて先が半透明に光ってた。

 

後は予定通り、牛蒡の塩胡椒キンピラ(胡椒を効かせるのがこつ)を添え、砂糖の入った卵をフライパンで半熟に焼いた丸いのを上にのせて、いっただーきまーす。

 

関西の卵の出汁巻は出汁を入れて焼く。砂糖は入れない。

でも、この牡蠣ご飯にはよく合ってた。

 

土鍋でご飯炊く練習しよう。