朧 2
15日未明に見たすごーい霧を、春の季語「朧」を使って11句、書いた。
わたしには、どの句も不満足だった。
思い余ってHさんに電話相談した。
彼女にもほぼ全句、却下された。もちろん、彼女ははっきりとはおっしゃらなかったけど、書いた本人が一番、よくわかっていた。全部、アンバランスな句だったのだ。
彼女と話していて判った。わたしが見た「濃霧」はあまりにもすごくて「朧」の季語では受けきれないサイズだったのだ。
「おぼろげな」という言葉にも入っている「朧」というものは淡く、薄く、ふんわりした感じだ。
でもわたしの見たものはそんなかわいいものではなかった。
濃くてびっしりしていて重量感があった。
あれは「朧」ではなかったんだ。
このまま、秋のすごい霧の日を待って、その時の参考に置いておこう。
しかし、わたしはこのことを秋まで覚えていられるかしら。