昨夜も寝室で、眠る前にぴったりの、法隆寺に関する録画を見た。1時半ごろ、寝ようと思い手洗いへ行った後、そのドアを閉め明かりを消した。

廊下左手奥のリビングのカーテンの隙間から何か尋常でない気配を感じた。

暗い中、窓際に立った。

 

霧だ。

ここに住んで15年、こんな凄い霧は見たことがない。

山や建物の姿は分厚い霧の向こうに沈み、高速道路のオレンジのライトがうっすらと細い円錐形に浮かび上がっていた。緑と赤のライトも淡く、ビルの飾りか信号機か区別できない。

ベランダに出た。白く濃い霧は手ですくい取れそうだった。

それなのに、月が見えた。半分に近付いた下弦の月。薄く雲が掛かっていた。

 

俳句にして残したいと思った。

 

リビングに灯りをつけ、俳句道具一式出した。

まず、季語のチェック。「霧」は秋の季語。春の季語では昼が「霞」で、夜は「朧」。

灯りを消してはベランダに出て、また部屋に戻り灯りを点け、鉛筆を握る を繰り返した。7句ほど書いて、片付けて寝室へ戻った。

興奮していて眠れない。でも、このまま続けるより明日、落ち着いてから詠んだ方がいいと思った。

 

3時くらいから9時まで寝たかな。

霧、いや霞はまだ残っている。しかし、昨晩の、飛びこんだら羽根布団みたいにわたしの身を受け止めてくれそうな凄さは全くない。

 

今から昨夜のメモの句を素に「朧」の句を書く。

楽しみのワクワク、うまく詠めないかものドキドキ。両方ある。

 

でも、ワクワクの方が大きい。