禁煙

今、病院から帰ったとこ。

結果からいうと、左足小指の骨にひびが入ってた。こん、とぶつけただけなのに。

 

病院へ行って、整形外科の先生に診てもらった。初めての先生だった。レントゲンを撮るよう言われ、撮った写真を見て「骨には異常ありませんね」と言われた。

「このままでも徐々に痛みも色もなくなるとは思いますが、漢方薬で回復を助けてやることもできます。日に3回食前です。どうしますか」

「そのお薬をのんでからアルコール、飲んでも大丈夫ですか」と訊くと、カルテに目をやり「どれくらい飲んでますか」と聞かれた。「ビール350ml1缶とハイボール2,3杯です」「結構な量ですね。タバコも骨の回復の妨げになります。薬を飲んでる間は止めたほうがいい。そのまま禁煙できたらもっといい」

ああ、このせんせ、ずっと前はやってたけど、今は禁煙という口だな。50になるかならないか、つやつやと血色のよい大きな男だ。

突然、せんせはわたしの骨の写真を見ていて「ああ、これはひびだな。うっすらと影になってるところ、ひびです。すみません。見落としてました。小指と薬指をテープで固定してやれば、2,3ヶ月で治ります。タバコ吸ってたら3,4ヶ月ってとこかな」

せんせ、あんねぇ、ひび見落としてたことよりタバコの話の方が重要?

そりゃ医師として禁煙を勧めることは正しい。でも足の指が紫色になったから、整形外科へ来たのだ。初めは薬ものまなくてもいいと言っていたのだ。せんせが禁煙を説いていた時間は、肝心の骨の話、してた時間より長い。

整形外科の前の椅子にはわたし以外誰もいなかった。待たされると思っていたのに早く呼ばれた。なーんだかねぇ。せんせ、もしかして暇?

「で、薬、どうしますか」「いただきます」「じゃあ2週間後にレントゲン予約、入れておきますから」

 

はいはい、2週間、薬飲んで、また来ますよ。

禁酒禁煙できないけど、薬は飲む。禁酒禁煙して2週間した後の骨の写真としなかった後の骨の写真、せんせに判別できるとは思えない。2週間ずつ4回で2ヶ月。そん時骨が普通の状態に戻ってたら、禁酒禁煙する必要はなかったことになる。

 

重々わかってます。わたしを大切に思って下さる方は皆さん、タバコやめなさいと言って下さる。40代で20本吸ってたのを、じりじり減らして今ようやく、6,7本にした。この6,7本がなかなかやめられない。特にアルコールの相手にタバコが最高なんだ。

 

わたしの父は78才で死んだ。父は60才でタバコを止めたのに、結局、肺がんだった。

わたしがタバコ、止められないのは、どこかでわたしも78才で肺がんで死にたいと考えているからだろう。