今朝もシミとシワを何とか隠すべく鏡に向かっていたら「ん?」と感じた。

何だろう、これ。

相方の顔もまじまじ見た。

「んーむ」

たぶんそう言うことなんだろう。

 

若い人の顔はDNAに支配されがちだ。どんなに奇抜なメイクやファッションをしていても、親や親せきの叔父さん、叔母さんの若いころに似ている。

年が上がるにつれ、DNAは色んなふうに出てくる。前は似ていると思わなかった親せきの誰かに似てきたりする。

しかしだ、60年以上、使い続けているうちに「わたし」の顔は「わたし」に一番似てくる。同じ人間でも、よく笑ってきた場合と暗い表情が多かった場合とでは結果はおのずと違ってくる。

わたしは小心者なので、感情の揺れが大きい。泣いたり笑ったり怒ったり、その結果、シワの多い顔になった。しかめっ面をしたり大口をあけて笑ったりした結果、シワが多いだけでなく、そこには誰の顔でもない「わたし」の顔が出来てきている。

相方も積み重ねてきたわたしとの生活で、前より目じりが下がってきた。これは単に筋肉が緩んできただけではなく、笑うことが増えたからだと思う。

 

生きることは自分の顔を作っていくことでもある。