金の掛かる女

若いころ、職場の同僚に片想いしていた。わたしは積極的な女の子で、いつもダメもとでアタックしていた。彼にも飲みに行きましょうよと誘い続け、ついに2人で飲む機会を得た。

で、また振られちゃった。理由は「君は週一で合唱団の練習に行ったり、帰りは毎日のように飲みに行く。そんな金遣いの荒い女とは付き合えないよ。」

え!わたしって金の掛かる女なの?その時、初めて考えた。

確かに実家に住み、月2万ほど食費をいれるだけで、後は好きなように使っていた。

当時の趣味は合唱と飲み食い。でもブランドにも興味なし、宝石も欲しくない、高級ホテルのダイニングなんて行ったこともないし。縄のれんで知らないおじさん達と肩を並べて、1人でビールに焼き鳥を楽しんでいただけ。着る物もジーンズだったし、ブティックには縁がない。どうせサイズも合わないだろうし。

だから、会社を辞めた時には結構、預金通帳にお金、あったんだよ。

 

相方に「わたしって金の掛かる女?」と聞いた。

「思ったほど掛からなかったけど、よく食べて飲むな」

 

微妙。