「神」

大学で女声コーラス部に所属していたことは書いた。

1年の時は副伴奏で2年は正伴奏者、3年は正伴奏と副指揮者、4年は正指揮者だった。

1学年上でわたしの前任の伴奏者や指揮者をしていた方が、とても個性的で魅力的な人だった。わたしの学年は5人いたが、わたし以外は短大だったので、3年の時点でわたしの学年はわたし1人になっていた。

で、前任者のような人間的魅力のないわたしは、4年の時、30人の下級生をまとめるのに、あまり知らない1年や2年をメインに、1人、2人ずつ居酒屋に連れてゆき、飲みながら「恋バナ」やクラブの話などをして、彼女たちを知ろうとした。それがよかったのかどうかはわたしには分らないが、30人の下級生たちはひとつにまとまり、年末の定期演奏会も無事、終えることができた。わたしは4年の時、ある意味、「神」だった。とっても小さいけれど、彼女たちには結構、影響力のある神のような存在だった。

そんな自分に酔っているようなところもあった。

 

でも、その「神」は社会に出て大きな組織の中で粉々にぶっつぶれちゃうんだけど。

 

先日の同窓会でも1人の下級生に言われた。「わたし、飲み屋さんに行ったの、あの時が初めてだったんです」

まあ、女子大なんだから、クラブの帰りに飲みにいくなんて、当時としては珍しいことだったとは思う。わたし自身が1人で小さな飲み屋さんへ行ったりしていたので、わたしの中では普通だったんだけど。

 

しょぼい「神」だったなぁ。