花札

相方とわたしは時々、花札をして遊ぶ。

20年程前に相方に教えてもらった。その頃は負けっ放しだったが、ルールが飲み込めると徐々に勝てるようになってきた。今は表を作り、1円玉、5円玉、10円玉などを洗って2つのジャムの空き瓶に半分ずつ入れ、プラスチックのコイン替わりに使っている。どちらかの瓶が空になったら、また半分こして続ける。

表があるので得点はみればわかるのだが、目の前の瓶の中のコインが減っていくのはリアルだ。それもプラスチックではなく本物のお金だ。もしもプラスチックのコインだったら、真剣度がぐんと減るような気がする。

花札をしながら、わたしはいつものようにぺちゃくちゃしゃべり続ける。相方はいつも通り無口だ。わたしが鎌をかけると口元の髭が微妙に動く。そこへ「あ、やっぱり桜の20点、持ってるんでしょ」と言うと、髭はまたピクピク動く。

わかりやすいなぁ。わたしなんか嘘を一杯言いながら、相方の反応を見ているのに。

 

それでもわたしが負け越しているのはなぜだろう。