なぞかけ

寄席でやる「なぞかけ」というものがある。

「~と掛けて~と解く。そのこころは・・・」というやつだ。

答えを聞くと「なるほど」で特別難しそうには見えない。

でも、自分でなぞかけを、それも限られた時間でとなると話は別だ。

 

俳句もそうだ。吟行へ行き、そこで歳時記に載っている季語を使って俳句を作る。

歳時記には錚錚たる俳人たちの句が例句として並んでいる。

例句の数だけ季語の使い方、措辞の使い方、場面の切り取り方など違っている。

読めば「うーむ、なるほど」と感嘆したり共感したりできるのだが、自分で作るとなるとこれがなかなか。出てくるのはあぶら汗のみで、時間切れ。句にならない「愚」のまま投句するから、結果も見えている。

先輩方の句を読むと、同じ場所で同じものを見ていたはずなのに、どうしてわたしにはこういう句が詠めなかったんだろう と情けなく思う。

まず、対象をきちんと見てとらえ感じること。そして、写生する。

 

理屈はわかっているのだが、なかなかできるものではない。

「なぞかけ」みたいなもんだ。