プラダを着た悪魔
2006年のアメリカ映画だ。メリル ストリープが有名ファッション誌の編集長役で何か賞を取った。
この編集長は非常に敏腕だが、部下にも厳しく、尊敬はされるが愛されてはいない。朝、出社するとブランド物のカバンや毛皮のコートを机の上に放り投げる。毎回、その毛皮が違う。彼女は見かけから物言いまで腹立つくらいきまっているのだ。でも、家庭生活では夫と離婚話が出ている。
よくあるパターンだが、何しろ彼女の悪魔ぶりが徹底しているのだ。アン ハサウェー演じる新人アシスタントや会社の人間を引きずり回し、罵倒し、笑う時は苦笑いのみ。周りはピリピリしている。あそこまでカッコよくて凄い女は見たことない。
わたしもちょっと、あんな才能と美貌に恵まれた女になってみたいな。
でもなぁ。さみしいよねぇ。
わたしは我が家の狭いダイニングで、相方の焼いたオージービーフを食べながら千円ほどのワインを飲んで満足だ。相方は若いころコックをしていたこともあるので、ハンバーグやオムレツなどを作る。わたしは洋食は作らない。
いやいや、そんな話ではないのだ。男性なら出世もして、よき妻と家庭を持つ人が沢山いるのではないか。悪魔にならなくてもすごい人生を送れるんじゃないか。
「プラダを着た悪魔」は女性だから成立する話なんだなぁ。
21世紀もまだまだ女性が成功するためには悪魔にならないといけないのかも知れない。