熱中症警戒アラート 2
はい、帰宅しました。
仲田君の美容室、HONUまでは、地下鉄が多くて日に当たるところも少ないので、熱中症の心配はあんまりなかったことが判明。初めから分かってたことだけど、行ってみてやはりホッとした。一応、近鉄鶴橋の駅でポカリスエット買って少し飲んだ。
彼はいつも通り、穏やかな笑みを浮かべ、わたしの髪をしながら、二人のお嬢さんたちの話をしてくれた。
高校生のお姉ちゃんは父親の彼と腕を組んで歩き「わたしは結婚しないで、ずーっと家にいる。面倒見てね」って言ってるとか。
小学生の妹さんは高校卒業したら「学校へ行くにせよ就職するにせよ、家を出る」んだそうだ。
彼はもちろん、どちらも可愛がり、好きにすればいいと言ってるらしい。
お盆休みは九州へ行こうかと考えていて、奥さんが泊まる場所を探しているとか。
仲田家の話を聞きながら、うちの30年前のこと、懐かしく思い出したよ。
10年ひと昔なら30年は三昔か。
若かったなあ、わたし。
未熟だったけど、一生懸命したつもり。
後悔しても人生は1度切り。やり直しは利かない。
30年前のわたしなら、アラートが出ていても、予定通りのお盆休みを過ごしただろう。女の40才前後は元気盛り。無理はいくらでも利いた。
今は、まわりに、相方に、迷惑を掛けないように、自分の体調と精神状態を保つことがわたしの一番のお仕事。
殺しても死なないような女だったのに、いや、今もそんな風に見えているだろうに、安定剤のお世話になっている。
8月7日は立秋。
まだまだ本物の秋は遠いが、秋になれば、わたしの状態もましになるような気がする。
それまでの辛抱だ。