負うた子に

今日は12時半に予約してた仲田君のHonuへ行って、髪をフルコースしてもらった。

彼がわたしの髪のカットにパーマ、カラーにトリートメントと忙しくしている間、わたしは1人でピーチクパーチクしゃべっていた。

動きながら、わたしのおしゃべりに実によいタイミングで相づちを打ち、時にわたしに彼の家の話やご両親のようすなどの話をしてくれる。

 

20代前半の彼は、カットの腕もヘアースタイルのセンスも既にピカいちだったが、客あしらいがダメだった。若い人相手なら大丈夫なんだけど、わたしのようなおばちゃんにはどう話をすればいいのか分からなかったみたい。

それが40代半ばの今は、わたし相手でもニコニコと、会話を楽しみながら仕事をするようになった。

それだけではない。

彼から教えてもらうことも多々、ある。

 

例えば今日。

Honuのある八戸ノ里という街は学生街で、高校生も大学生もわんさかいる。

ところが彼の店では見かけたことがない。

わたしは不思議に思い、彼に尋ねた。

「この店をつくる時に一緒にプランを練ってくれた工務店の人が、まず、どういう店にしたいのかと訊いてきたんです。例えば学生さんがたくさん来てくれるような店とか。僕は敢えて学生さんの入りにくい店にしたいと言ったんです。大人の女性が来てくれる店にしたかった。内装も落ち着いた感じにし、値段設定も少し高めにして。学生さん用の美容室はもうすでに、たくさんありますしね。それに学生さんとどんな話をすればいいのかわからないし」

うそぉ。小6と高1の2人のお嬢ちゃんの甘い甘いパパでしょうが。

 

しかし、そこまで考えてこの店を作ったんだと正直、驚いた。

 

よその息子さんだが、負うた子に教えられたって気がした。