父親

わたしの父は大正の末に生まれた。

第2次世界大戦で兵隊として戦い、生きて帰ってきてからは、戦後の日本の復興を支えた企業戦士の1人だった。仕事熱心で出世もした。

しかし、父に特別、何かしてもらった思い出はあまりない。

昔の男だったので、家のことはすべて母任せだった。

父親というのはそういうものだと思っていた。

 

相方は昭和24年生まれなので、彼も戦争を知らない世代だ。

彼の子供はみんな女の子だったが、とても可愛がり肩車してやり、休みの日には遊びに連れていったりしてくれた。わたしの父と比べると、とても子供をかわいがる父親だった。ただし中学生ともなると、どうしたらいいのか分からなくなったみたいだけど。

 

娘の夫たちは昭和の末や平成生まれだ。彼らの父親ぶりはすごい。孫たちはみんな男の子だけど、子供の目線で見て考えてやる我慢強い父たちだ。仕事もしっかりして、家に帰れば子供と一緒に遊んでやることのできる父親だ。わたしにはミュータントのように思える。

 

戦後、4分の3世紀経った。

日本社会が変化するに従って、親の在り方も変わってきた。

働く母親が増え、託児所が必要になり、父親の役割も多様化したのだろう。

 

それにしても、天晴れな父親たちである。