見果てぬ夢
今日は月一の仲田君のHONUへ行く日だった。
例によって髪をしてもらいながらいろいろおしゃべりした。
前回行った時はまだ目眩を引きずってた頃だったので、今日は体調の話からマイナス思考の話になり、そこから自分が持っているもの、いないものの話となった。
彼は背が高くて、カッコいい男だ。センスもよくて、美容師としての腕もよい。家庭ではよき父であり夫であるように見える。
「わたしは調子が悪くなると自分が持っているものを数えて自分を勇気付けるのよ。主人がいる、子も孫も元気、友達もいる、食べるには困っていない、趣味もある。いい人生じゃないかってね。あなたはどう?あなたは一杯持っていそうね。欲しいもの、ある?」
ちょっと考えて「欲しいというか、先のビジョンを明確にしたいですね」
でも、それは持っていないものとは違うな。
彼のお店もコロナで収入は減っているというし、奥さんの収入で補っているらしいから、お客さん、いっぱい来てほしいんじゃないの?
「うん、そりゃそうですけど、コロナですからね」
あまりお金にはこだわってないみたい。
要するに、たかだか45才で、なんか人生に充足してる。
一番欲しいものだらけの時期だと思うのに。
彼のひょうひょうとしたところは彼のお父さんに似ているみたい。
彼はお父さんが好きで、よくお父さんの話をする。
86才になられるそうだが、まだまだお元気でおしゃれで絵を描くのがお好きなのだとか。
いろんな人がいる。
わたしみたいにちっこい心にでっかいエゴの人間にとって、ひょうひょうと生きるというのは見果てぬ夢だ。