謝意
ったく、いい歳して、お恥ずかしい限り。
一昨日は相方と仲良し小良しだと吹聴し、その舌の根も乾かぬうちに、昨日は口も利いてないとぐちぐち。節操のかけらもない。
昨日、相方は朝6時から出掛けて、ソフトボールの試合のお手伝いをして、へろへろになって夕方6時に帰ってきた。
わたしは夕食の準備をしていた。彼はすぐ、シャワーで汗を流し、冷蔵庫のビールを取り出した。わたしは物も言わずに野菜を炒めていた。
「何か怒ってんのか」
わたしはその時点で吹き出しそうになっていた。
1日中、1人で怒ってたんだ。彼は昨夜のことなんか、何にも気付いてなかったんだ。
アホらしくなって、笑い出しそうになる口元をぎゅっと引き締め「昨日、お風呂に入ってと言いに行ったら、また怒鳴った」と言ったら「覚えてない」ってさ。
「5時台に起きないといけないって言うから、早めにお風呂に入ったほうがいいと、親切で言いに行ったのに、分かってるって怒鳴ったんだよ。それも4回も」
嘘だ。2回だ。
「ごめん、覚えてない」まだ半分眠ってたらしい。
「これからは晩ご飯の後、すぐお風呂に入るようにする」
「歯磨きも、部分入れ歯の洗浄も」
「うん、する」
で、照れくさそうにハグして、もう1度「ごめん」と言った。
ったく、申し訳ない。70才前後の老夫婦の喧嘩の顛末なんか読まされても ねえ。
人間っていくつになっても成長できるはずなのに、わたしたちはダメみたい。
互いに甘えかかってるからだろうね。
これを読んでらっしゃるあなたに、心よりの二重の謝意を表します。