5、6秒

近ごろ、お昼ご飯のヘビーローテイションは自家製高菜ちりめんんだ。

自家製と言っても、スーパーで買ってきたちりめんじゃこをごま油でかりかりにし、これまたスーパーで買ってきた高菜の漬け物を細かく切ったのを加えて、水気をとばしたら終わり。塩分は加えなくても十分。

ご飯にふりかけたり、混ぜ込んでおにぎりにしたり。

相方も好きなんだけど、あまり勧めない。

20代からの痛風持ちなので、小魚の内臓や魚卵にはプリン体が多くて、怖ーいのだ。

もちろん、ビールは言わずと知れた諸悪の根源なので、相方は痛みのある時はノンアルビール、普通ん時はプリン体と糖質オフのビールを飲んでる。

ずーっと尿酸を抑える薬も飲んでる。痛風は今の医学では治せない病気なので。

だから、痛風の発作、つまり足の親指やくるぶしなどがひどく痛むのは、なくならない。

基本、アルコールは腎臓の働きを鈍くして尿酸の排出を妨げる。

飲まないに越したことはないんだけど、飲まないとストレスが溜まり、これがまた痛風の発作の引き金になる と相方は言う。

 

そんな風にだましだまし痛風とつきあってきてる。

 

何年か前に、テレビのコマーシャルで、夜にお酒をたくさん飲んでも翌日、二日酔いにならなくてスッキリ というシジミのエキスのお薬を知った。

さっそく、試供品を取り寄せ、相方に試してもらった。

彼は「うん、なんか効いてる気がする」というので、オペレーターに電話し、注文した。話が終わって、電話を切りかけた時にふと、気になって彼女に訊ねた。

プリン体は入ってませんよね」

 

5,6秒してから返事があった。

 

「入ってます」

 

で、注文を取り消した。

 

あの5、6秒の間、彼女は何を考えてたんだろう。