美容室
本来なら今度の木曜日に仲田君の美容室に行くつもりだった。
ところがコロナ恐怖症のわたしは地下鉄や私鉄を乗り継いで彼のお店に行くのが怖い。
で、彼の所に電話して、彼が独立する前に働いていたAというお店へ行くつもりだと話した。そこなら近くて自転車で行けるから。Aにわたしの知ってる子、まだいるかな ときくと「Mがまだがんばってますよ」とのこと。「じゃあ、申し訳ないけど、コロナが落ち着くまでAにいくね」「またのお越しをお待ちしております」「うん、絶対行くから」
で、さっきAという美容室に電話した。知らない子が電話口に出た。「Mさん、今日、出勤していますか」「はい」電話を代わってもらった。「もしもし、Mです。お久しぶりです」
覚えててくれた。
事情を話し、木曜日にカットとカラーをしてもらいたいと頼んだ。3年前の年末まで、20年以上、Aでずっと仲田君にしてもらっていて、特にカットは他の人にしてもらったことがない。Mさんに「申し訳ないけど、仲田君にカットの仕方、聞いといてくれる?」と言うと「承知しました。お顔、見られるの、楽しみにしています」って言ってくれた。
最近の若い子、いや彼らはもう40過ぎてるか、でも、わたしかりゃすれば、やっぱり若い、はしっかりしてるし、仕事もバリバリ頑張ってる。いいぞ。
わたしは2軒にご迷惑かけてでも、どうしても美容室へいきたい。
白髪がひどく目立って、すんごいお婆さんに見えるんだ。まあ、生物学的にはお婆さんであるには間違いないけど。
精神衛生上、よろしくない。
相方は帽子を被ればいいと言う。
あんね、わたし、外へ出ない日もお化粧、してるでしょ。
ひとのためじゃなく、自分のためにしてるんだよ。
自分が普通の自分でいること。こういう時だからこそ、せめて見た目だけでも普通にしておきたいんだ。
相方には理解できないだろうな。