優先座席

昨夕、相方と地下鉄に乗り、お歳暮をしに出かけた。

中途半端な時間帯をねらって行ったので、百貨店はあまり混んでいなかった。

用事を済ませて、夕食がてら1杯やった。

帰りの地下鉄は帰宅の時間帯で混んでいた。

相方が端っこの3人掛けの席の真ん中が空いていたので、座った。

そこは優先座席で、左右に座っていたのは30歳前後の体格のいい男性たちだった。

2人ともわき目もふらずにスマホで何かしていた。

わたしは相方に「足が痛いから代わって」と言った。

相方はあわてて立ち上がった。

わたしは座りながら、2人の様子を見ていた。

2人ともわたしをちらっと見て、またスマホに戻った。

わたしは席を相方と代わるのが目的ではなく、彼らの1人、もしくは2人ともが、わたしたちに席を譲ってくれるんじゃないか と思ったのだ。

白髪頭で白い髭の相方とその妻らしいわたしの方が、優先座席に座る権利がある云々ではなく、ひとの優しさに触れたかったのだ。

 

地下鉄を降りて、人間のできていないわたしは彼らのことをぶーぶー言っていた。

 

ふと、前にBruceに言われたことを思い出した。

「仕事に疲れて電車で座ってる時、あなたが前に立ってもわたしは席を譲りません。老人と思わないから」

相方は黒のポロシャツにジーンズ、紺のキルティングのショートジャケット、わたしは紺のワンピに茶のロングブーツ、薄茶のショートジャケット。

そういや、あまり老人ぽく見えないね。かっこだけちらっと見たら70才と66才とは分からないかも。

2人でそういうことにして、笑いながら家路に着いた。

 

ちなみに昨日、わたしがジーンズをはかなかったのは、足の小指のせいで大好きなショートブーツが履けず、負担の少ないぺったんこのロングブーツにしたためだ。

早くショートブーツが履けるようになりたい。