新婚さん

新婚さん。

なんて初々しくも恥ずかし気な言葉。いいなぁ。

 

わたしの結婚生活は3人でスタートした。相方が前の結婚で得た娘はほんとに素直で可愛らしい少女だった。彼がわたしと結婚するまで彼の両親に大切に育てられていた。

わたしたちの寝室の隣が彼女の部屋だった。小学校3年で転校したのと、おじいちゃん、おばあちゃんと離れたせいで、夜になると寂しがるので、わたしたちの寝室で川の字になって寝た。わたしは彼女の気持ちは理解できたが、内心では相方を取られたように感じていた。いや、彼女の方がわたしに父親を取られたように思っていたはずなのに、そんなそぶりは全く見せなかった。わたしは何て身勝手な思いやりのない女だったんだろう。わたし自身で選んだ新婚生活だったのに。

わたしは娘を一人、産んだので、その後ずっと4人家族だった。

で、ずっと娘たちが早く結婚して家を出て、早く相方と二人きりの生活をしたいものだと思っていた。

いざ、下の娘も結婚して二人きりになってみると、そこにいるのはバリバリの旧婚さんだった。

 

新婚さん、いいなぁ。