わたしの好きな歌
歌はメロディーと歌詞で成り立っている。
街に流れている歌にはメロディーに反応することが多い。なんといっても音楽は聴覚の世界でメロディーのよいものが記憶に残る。
歌詞は知らない言語では理解できない。でも雰囲気はメロディーで何となくわかるのが人間のすごいところだ。
わたしがカラオケで歌うのはほとんど英語の歌だ。ポップス、ロック、R&Bなどには子音の多い英語は向いているように思える。歌う前に歌詞をチェックして意味が分かった上で歌う。昔していた合唱では宗教曲がほとんどで、歌詞はラテン語だった。大学でラテン語を取っていたので一応はわかる。だがミサ曲もレクイエムも儀式で歌われるので使われる言葉は決まっている。それはそれで歌っていて作曲者による解釈の違いなどがおもしろかった。
しかし、なんと言っても母国語である。高橋真梨子、中島みゆき、松任谷由実、小田和正、小椋佳などの歌は大好きだ。時々、歌う。
で、わたしの最も好きな歌は2曲の演歌である。
文句のつけようがない。歌詞は詩であり、一幅の絵となる。メロディーもそれに寄り添ったり扇動したりしてわたしたちをその世界へ連れて行く。歌い手のふたりはプロ中のプロだ。天性の歌唱力に磨きがかかっている。
だから、か、しかし、か、わたしは歌わない。
わたしは演歌も歌謡曲も嫌いなのだ。戦後生まれのアメリカがカッコいいというミーハーな少女だったわたしは、演歌や歌謡曲はおじさん、おばさんのものだと思っていた。おばさんになった今でもあまり聞きたいとは思わない。
ただ、この2曲はわたしの中ではどんなジャンルにも属さない名曲なのだ。
聴くためのみの。