憑依

相方は、ごつくて顔もいかつく話す言葉も荒っぽい。

典型的な大阪のおっさんである。

わたしは女だが、がっしりと筋肉質で骨太、言葉は標準語を関西弁のイントネーションで話す。阪神間の女性はだいたい、そうだ。

わたしはいわゆる大阪弁は使わないようにしてきた。

耳に痛いのだ。

でも、前の家に住んでいた時、地元になじむため、敢えて大阪弁を使うようにしたら、今度は抜けなくなって、今もひょいと大阪弁が出る。

 

結婚してもうすぐ40年だ。

わたしの言葉はちょっと変な大阪弁となり、相方の言葉は少し丁寧になった。

 

朝から頭が痛いと言うと、首筋を揉んでくれた。

彼はマッサージがうまいのだ。でも、自分のはできないから、毎日のように整骨院へ行ってるけど。

4、5分、わたしのマッサージをして「はい、午前中はここまで。お昼から続きをしますね」と言った。

 

 

花札をしている時も「桜の20点札、持ってんでしょう」と言うと「持っていません」とか言う。普通なら「持ってへん」って言うのに。

 

時々、ヘンなものが憑依するみたい。

まあ、荒っぽくなるよりいいけど。

でも、気色悪い。