名も知らぬ木
昨日、相方に付き合ってもらって、歩いて20分程の神社の桜を見に行った。
それはそれは春らしい明るく暖かな午後だった。
桜は少し散り始め、蘂だけ枝に残っているのもあった。葉も出かけて、やはり満開を過ぎたところだった。
ふと、南西の隅に目がいった。何の木だろうか、70センチ位のところでバッサリ切られていた。切り口は直径4、50センチほどで、切り口のすぐ下に大きな瘤があった。
その瘤から、透けそうな茶色っぽい小さな葉を付けた細い枝がたくさん伸びていた。
葉はとんがった楕円形で、まだ柔らかそうなのに枝にびっしり付いていた。
本体の木が切り倒されているのに、この枝や葉の勢いといったら、凄い。
生きているんだ、伸びていきたいんだ と言っている。
あの神社はあの木をなぜ切られて、これからどうしてゆかれるのか、気になって仕方ない。
名も知らぬ木が、桜より印象に残った。